バラのお皿に隠された熱意のパスワード

翻訳者ーRie

 
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思い返せばかなり昔、牡牛座の友達の導きにより鹽埕の路地の中の「鄭家切仔麵」へ入った。友達は、食事にこだわりを持っている、彼女の目にかなった店は優秀で、鄭家は彼女の隠しリストに含まれる店舗の一つであり、私は彼女のこだわりを掘り下げて知ることに魅力を感じている。初めて店に足を踏み入れた時、食べ物はまだテーブルには並んでいなかったが、テーブルの上に積み上げられていた皿に目が釘付けになった。昔ながらの陶器の上に縁がバラで彩られており、全て大同会社産だ。店内を見渡し、こんなに美しい食器はそうそう見当たらない「なんて珍しい!」と心の中で叫び、テンションが急上昇した。

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鄭家の明かりが灯って今まで、すでに90年の月日が流れ、2代目の辛い春から始まり、安全と衛生のために同じ食器を使い続けている。鹽埕の角の三角窓の店舗の頃は、環境はあまり良いとは言えず、水は現在ほど便利ではなかったが、商売は日に日に良くなっていったとオーナーは振り返った。毎日遠くまで水を取りに行き続け、料理をして皿を洗う、どんな隙間の油汚れも洗い流すため、妊娠中で大きなお腹の時でもいつも通りやり続けた。さらに陶器は欠けやすい、これは長年の店舗運営資本をあげるリスクがあるが、この伝統は今まで変えず、2ヶ月に1度全てを外へ出し大消毒を行う。この職人的な独特な「固執」は人々の尊敬に値する。

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細かいとろこに気を配り、職人としての技術も確かなのは、少しみただけですぐわかる。この種の切仔麺屋は、揚げ玉ねぎと煉ラードが調味のキーワードとなる魂である。鄭家は全ての工程を自分たちで行い、煮詰めた醬油膏(*1)とすり下ろしニンニクに圧力をかける製法で誰にも真似できない。毎日、開店前にもかかわらず、洗った生姜を手で千切りにし、スープの甘味も季節によって違い、夏は多めの竹の子を、冬は大根に変え、旬の食材を使っていることは舌が鋭い方ならわかるはずだ。

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食器はメラミンや金属等の物質が溶け出し、人体を害する心配はいらない。腹に入る食材は、食事をする人よりもさらに厳しく管理しており、食事をする客が集中して食べれる環境を用意するのは当然のことだと思っている。ビーフンスープ、黒白切(*2)、白斬雞(*3)など……鄭家の看板料理がきた瞬間は、家に帰った感覚になり、私たちは安心して食事を楽しむことができた。

*1 醬油膏:とろみのある甘い醤油で台湾の調味料
*2 黒白切:適当な食材を切って茹でて出した料理
*3 白斬雞:鳥を紹興酒などで調理した蒸し鶏

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鄭家切仔麵

  • 住所|高雄市鹽埕區新樂街201巷5號

  • 営業時間|08:00-15:00(公的休業日は不定期です、電話にて問い合わせください。)

  • 電話番号|(07)561-0706